2017年度 コニカミノルタカレッジ「先端光学」 で招待講演を行いました。
2017年度 コニカミノルタカレッジ「先端光学」にて、下記の招待講演を行いました。
水野洋輔, “分布型光ファイバセンサの研究”, 2017年度コニカミノルタカレッジ「先端光学」, paper 3, コニカミノルタ東京サイト八王子、2017年12月15日 <招待講演>.
近年、高度経済成長期に集中的に建設された社会インフラの経年劣化が進んでいる。また、地震等の自然災害による損傷も蓄積して大きな社会問題となっている。この有力な対策として、構造物に光ファイバを埋め込むことで、内部の変形や温度を分布的に測定するシステム「分布型光ファイバセンサ」が使われつつある。長距離にわたって任意の位置で測定が可能な上、電磁ノイズに強い等の利点があり、注目を集めている。特に、光ファイバ中のブリルアン散乱の周波数シフトを用いた分布型の伸び・温度センサは、他の手法に比べて高精度・高安定であることが知られている。本講演では、その一つである「ブリルアン光相関領域反射計(BOCDR)」と呼ばれる手法について、その基本から最新のトピックまでを紹介する。光ファイバの片端から光を入射するだけで動作し、低コストという利点を併せ持つ本システムは、最近、世界最高の空間分解能(mmオーダ)と世界最高の動作速度(リアルタイム振動分布測定が可能)を達成した。また、極めて柔軟性に富むプラスチック光ファイバの適用にも成功した。なお、時間が許せば、偶然発見された「プラスチック光ファイバヒューズ」と呼ばれる興味深い現象についても紹介予定である。